これはトーナメント聖地巡礼の次の回で、何の接点もないジャラクサスとマルガニスのリクエストを同時に消化したんだった。

■ Wilfred FizzlebangとJaraxxus 〜 哀れな召喚者と強力な悪魔卿
《ロード・ジャラクサス/Lord Jaraxxus》は元々世界観のお話ではまったく登場せず、《グランド・トーナメント/Grand Tournament》のレイド(WoWでの大規模コンテンツで、ジャラクサスが登場するWoW3.2当時は10人用と25人用がありました)のボスとして用意されただけのキャラクターです。
《ウィルフレッド・フィズルバン/Wilfred Fizzlebang》も単純にネタキャラとしてこのために作られたキャラで、レイド入り口付近で「俺が冒険者の腕試しの悪魔を召喚するんだぜ!」とドヤ顔で豪語してます。
実際に冒険者がレイドに突入し、初戦の《串刺しのゴーモック/Gormok the Impaler》・《アシッドモー/Acidmaw》&《ドレッドスケイル/Dreadscale》・《アイスハウル/Icehowl》の連戦を処理し、2戦目開始の合図を送るとウィルフレッドが颯爽と登場します。
そして、ウィルフレッドは《ドゥームガード/Doomguard》を召喚すんぜ!と意気込みますが、実際に召喚するのは自分の手に負えないであろう、ドゥームガードからして数階級上の悪魔卿ジャラクサス。
召喚したジャラクサスに対し「お前はもう俺の意に縛られてるんだぞ、悪魔!」と言い放つも、ジャラクサスの紹介文でもある一言「取るに足らないノームめ、その傲慢さが汝の破滅の元となろうぞ!」と一緒にさくっと一撃でウィルフレッドを殺してしまいます。
(トーナメント聖地巡礼で紹介したYouTube動画にこの辺が紹介されているので、まだ未見の人は是非!)
そのウィルフレッドの死を見た《ティリオン・フォードリング/Tirion Fordring》が「勇者たちよ、その悪魔卿が悪魔領へのポータルを開く前に素早く駆逐してくれ!」と無茶ブリして、冒険者たち戦闘が始まります。
WoWでもこの戦闘の開始時には、みなさんもよく耳にしてるであろう
「汝が対峙するはジャラクサス、バーニング・レジオンのエレダー卿であるぞ!」
の叫びが場内にこだまします。
敵としてのジャラクサスは自分を強化し、炎の玉を投げ、電撃を飛ばし、冒険者の足元に火を灯し(戦略の一部としてこの火を部屋の外側に落とす事が必須でした)、冒険者の皮膚にも火をつけ(一定量ののHP回復魔法を施しこの火を消さないとレイド全員に大ダメージと言う回復陣泣かせのアビリティでした)、《苦痛の貴婦人/Mistress of Pain》や《焦熱の悪鬼/Infernal》を召喚します。
ちなみに悪鬼を召喚するときの叫び声がジャラクサス化したウォーロックのヒーローパワーである《焦熱地獄!/INFERNO!》です。
そして、冒険者に倒されたジャラクサスの最後の一言「他者が余の代わりを担うであろう。汝の世界は滅ぶ運命なのだ。」も、HSで降参した時の言葉「汝は勝ったが、汝の世界はまだ滅ぶ運命なのだ!」に継承されているのもにくい演出です。
あと、自分が召喚したジャラクサスに一撃死された事を踏まえると、ウィルフレッドの英語フレーバーテキスト
「彼は何でも召喚できる。【恐ろしいドゥームガード※】さえも。
※彼は上手く行くと、かなりの自信を持っている。」
に含まれた皮肉が見えてきて面白いかと思います。