今週のDKさんは出張中らしいので、SC2コミュニティマネージャーさんへの伝言となっていますが、
ここでは本文だけ切り抜かせていただきます。
<元記事>
マクロ操作性
みんなご存知の通り、僕らは議論の焦点をマクロ操作性について最善の一手が何か決める事にしている。何十時間ものプレイテストや議論の末、僕らは先週お話した変更を試してみる事を決定した。
まず最初に、僕らは今週行われたマクロ操作性関連のアンケートや投稿は全部見ている事を指摘したいし、それらについてはみんなに感謝している。だが、僕らはマクロ操作性が完全に撤廃されるべきだと言う概念には賛同できない。実際にこれを試してみた所、みんなが指摘したように、3種族全てにおいて何らかのアイデンティティやユニークさが多少なりとも失われたからだ。
次に、これらの事に関する勘違いを解消したいと思います。これらの変更をテストする事の最終目的はStarCraft IIを遊びやすくするためや、熟練しやすくするためではありません。僕らの目的はゲームのよりつまらない所での必要クリック数を減らし、より面白いゲーム展開にそのクリックを有効活用して欲しかったからです。 僕らはStarCraft IIが世界で最も熟練するに難しいゲームの一つであり、この熟練度の追求こそがゲームの極めて重要な要素であると信じています。よって、これらの変更の代わりに、共同ミッションやアーコンモードなどの新しいモードを追加し、ゲームをより親しみやすくしようと思います。さて、それでは今週僕らが気づいた事の詳細のお話でもしましょう。
テラン
テランのMULEは実行するのは難しくなく、それは自動発動型とHotS版を並べて比べてみても言える事です。よって、今週のバランス調整で戻した事がテランの進むべき道だと思っています。
プロトス
Chrono Boostにおいては新しいバージョンが古いバージョンより必ずしも良いとは限らないと気付きはじめました。現在僕らはこの変更が全体的に見て、改善と言うよりは似たり寄ったりな変更になっていないか、とのの懸念があります。 それは状況によって以前より改善した場合と改悪になった場合が混同しているからです。だけど、まだ僕らはこの新しいバージョンをより良く知るべく、今の所はこれで突き進めたいと思っています。これに対する主な懸念は、新しい方が面白くて以前より違うけど、それがゲームにとって最善なのかどうか、です。最善だとしたら変更する事を決定できますし、そうでない場合いつでもHotSの仕様に戻す事ができます。
ザーグ
自動Injectは長期的に見て僕らの目指す方向性とは違うかもしれない、と言う事が僕らの現状での見解になりつつあります。これの主な理由として「ザーグはマクロ操作しなくていい」や「どのスキルレベルでもザーグは全自動だからマクロがうまくできる」などの素晴らしいザーグプレイヤーの評判を下げるような見解を僕らは目の当たりにしてきたし、これからも目の当たりにするだろう、と言う事があります。煮詰めてみた結果、僕らは自動Injectがある事の利点は変更がもたらす否定的な見解に勝る事は無いと思いました。
たとえば、攻撃的ワープインは無敵なものではなく、その戦略はスキルが低いプレイヤーがプロプレイヤーにほぼ確実に勝てるものではありませんでした。プロトスのゲームにおいて、より上手いプレイヤーが勝者になるのを見てきました。しかし、プレイヤーやコミュニティにとってはこの戦略はプロトスがイカサマっぽく必要なスキルがより少ないように見えてしまいました。なので、自動Injectと同様に、僕らはそこを変更しようと思いました。それは攻撃的ワープインがテックなしに安易にできる面白要素はそれがもたらす否定的なイメージに勝っていなかったからです。
よって、僕らは次のバランス調整で順番を作るるバージョンを試してみる事にしました。この変更にプレイテストの焦点を合わせ、意見や感想を教えてくれる事を望んでいます。
上級Ping設定
アーコンモードや共同ミッションの追加により、チーム戦においてのコミュニケーションの改善を模索してきました。先日のコミュニティサミットで数名から聞いた意見は、Heroes of the Stormである上級Ping設定に似たような物を導入して欲しい、との事でした。この提案は僕らも気に入ったので、StarCraft IIにおいて理にかなうバージョンの設定の実装に向け作業しています。
現在僕らが考えているのは、Pingコマンドを押した時により細かい指示(攻撃、防御、向かってる、撤退)を出す選択肢をパネルで表示する事です。これは味方にメッセージを伝えつつ、ゲーム世界で彼らが見えるように狼煙をあげる事になります。さらに、パネルを通じつ普通のPingをユニット・建物・資源にした場合には、専用のメッセージと狼煙が出るので、仲間に君が何を言いたいのかの文脈を多少付け足す事になります。
内部で初期バージョンをプレイテストしてみた結果、Pingのショートカットキーが煩わしいとの意見を頂きました。現在Quick PingのショートカットをAlt+左クリックに変更しようか考えています。このショートカットを可能にするためには、HPバーの切り替えの初期ショートカットをアポストロフィ(’)に変更します。この変更を考える理由としては、一般的なユーザーはPingをする事の方が利用頻度が高いと思うからです。もちろん、違うキー構成を好む人はこれらのショートカットキーはカスタマイズできます。
βでのバランス
今週はさらにβ最終フェーズの話もしたい。マクロ操作性をどうするかの結論はゲームのデザイン変更に関する最後の関門の一つであり、これからはバランスの調整に焦点を当てていく。ただ、一つ覚えておいて欲しいのは、最高レベルのプレイヤーはまだHotSを遊んでいて、そのレベルが一番バランス問題が明らかになるレベルだと言う事だ。僕らは全く同じような現象をHotSのβで見てきた。最高レベルのプレイヤーは現在行われているトーナメントに集中するので、彼らのスキルレベルでのデータを集める事はかなり困難であり、彼らが1-2週間遊んだとしてもそれは新しいゲームにおいて何が最善か考えぬくには時間が足りなさすぎる。例えばHellbatドロップは簡単で実行しやすい戦略だが、これはβ中は強すぎると思われておらず、ゲームのローンチ後にパッチで対応せざるを得なかった。
よって、ローンチ前に出来るだけゲームのバランスを調整すべく最善を尽くすが、発売直後に早急に修正すべき問題点が何個か見つかる事は想定している。特に来年トーナメントが開催されはじめたらそうなるだろう。僕らはゲームのローンチ直後はバランス調整にかける比重をいつもより重くし、出てくるであろう問題点に素早く対処できるようにする。
βでの目標はプロのすぐ下までの様々なスキルレベルのプレイヤーにとって出来るだけバランスが取れたゲームにする事であり、実際にゲームが発売されてからの最初の数週間~数ヶ月はプロレベルのバランスに焦点は移動する。 ゲーム発売のタイミングもこの計画に見合っている。それはゲーム発売直後はWCSや大規模トーナメントに数ヶ月の休みがあるからだ。
いつもどおり、みんなの意見を聞くのを楽しみにしてるよ。ありがとう!